捕獲対象小動物の生態

「狩猟読本」(一般社団法人 大日本猟友会発行)より引用

【ハクビシン】

ネコ目ジャコウネコ科 ※外来種

 

▢分布 

沖縄を除き、 全国的に分布。中国や東南アジア原産の外来種。

 

▢特徴 

頭胴長は約60cmで、 尾長は約40cm。雌雄同色·同大。 体色は暗灰褐色だが、顔面が黒色で、鼻部から頭頂部にかけて細い白色の縦線があることが特徴。また、 四肢の下部と尾の後半も黒色。四肢は比較的短く、 細長い体型で、 ややイタチ科獣類に似ている。

 

▢習性 

丘陵地から山地にかけての森林などに生息し、 果樹園などにもよく出没する。樹洞·土穴などをねぐらとし、 そこで繁殖もする。 屋根裏にすむ場合もある。夜行性でかつ樹上生活者であるために人目に触れることは少ないが、集落周辺にも普通に生息している。雑食性で小動物や果実などを採食し、 よく畑のトウモロコシや、 果樹園のミカンやカキなどに加害する。

 

【イタチ(オス)】

ネコ目イタチ科

 

▢分布 

イタチは沖縄を除き、 全国的に分布。イタチのメスは非狩猟獣。

 

▢特徴 

イタチは、雌雄で大きさが明確に異なり、オスは頭胴長が約30~40cm、尾長が約10~20cmで、メスのおよそ1.5~2倍ほどの全長を有する。雌雄同色。全身が茶褐色で腹面は淡褐色。ロ元は白色であるがその上部から眼の周りにかけては黒色で、明瞭なコントラストをつくる。 テンなどと異なり、 季節的な体色変化はない。

 

▢習性 

主として平野部から低山にかけて生息するが、 集落の点在する川沿いではかなり奥深い山地にまでも分布域を広げている。 池沼、水田などでよく見かける。 人家のまわりにすみつく場合もある。テンよりも動物食の傾向が強いようで、 糞の中には、 季節を問わず昆虫類などの小動物の残骸が目立つ。 地上や水辺で採食し、畜舎·養魚池、農作物に加害する場合がある。敵に追い詰められると、 江門付近にある臭腺から悪臭を放つ。 一夫多妻性。土穴で繁殖。

 

【アライグマ】

アライグマ科 来生物

 

▢分布 

近年は全国的に分布が確認されている。北中米原産の外来種。 ペットなどが野生化したもの。

 

▢特徴 

頭胴長は約50cm、 尾長は約30cm。 雌雄同色·同大。 体毛は灰褐色で、 眼の周りにはっきりした黒色のマスク模様があること、尾に黒色の輪があることが特徴。体毛が長く、すんぐりした体型をしている。手先が器用なため、 各地で脱柵して野生化する個体が多い。

 

▢習性 

平野部を中心として、 森林や公園、農耕地、市街地などの水辺に生息する。 河畔の潜木林などに多く、巣穴を掘って群れで生活し、 陸上や水辺で果実や小動物などを採食する雑食性。夜行性でよく水の中に入る。木登りは、 タヌキと同様に上手。 土穴で繁殖。

 

 

【タヌキ】

ネコ目イヌ科

 

▢分布 

沖縄を除き、 全国的に分布。

 

▢特徴 

頭胴長は約60cm、尾長は約15cm。雌雄同色·オスやや大。全身が淡褐色で、 眼の周囲と四肢、尾の先端がほぼ黒色であり、首の側面や尾などはやや淡色。 体毛が長く、ずんぐりした体型をしている。

 

▢習性 

郊外の住宅地周辺から山地まで、林地や草原などの様々な環境に生息している。 春季から秋季にかけては土中に巣穴を掘って家族群で生活する。繁殖も土穴。人里にもよく出没し、夜行性で、夜間ゴミ捨て場などをうろつくことも多い。人気の少ない尾根筋など、定の場所に糞をする 「タメ糞」 と呼ばれる習性がある。敵が接近すると、 足跡をくらますために、ぴょんと横へ跳んで逃げる。 木登りが上手。 雑食性で、農作物等に加害する場合がある。銃で撃たれたとき、 弾丸がかすっただけでもその場に倒れ、 仮死状態になることがある。